新エネルギー供給の安定化に課題が残るなか、にわかに注目されているのがEV(電気自動車)だ。その理由とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

原発事故以降、風力、太陽光、地熱、小水力などの新エネルギーが注目されてきたが、いずれもエネルギー供給の安定化にはまだ課題が残る。そんななか、自動車の世代交代に伴い、にわかに新エネルギーとして注目されているのがEV(電気自動車)。蓄電池が搭載されたEVが発電所の役割を果たすため、太陽光や風力で発電した電気を貯めたり、電気が足りないときは逆に使ったりできる。実際、そうした使い方はどれくらい認知されつつあり、どれくらい実用的なのだろうか。EVを軸としたスマートエネルギーシフトの未来を探る。(取材・文/フリーライター 相馬留美)

新エネルギーシフトが進むなか
EVが次の本命になりそうな理由

 欧州では着々と進んでいる、化石燃料から風力や太陽光などの環境に優しい新エネルギーへのシフトだが、日本ではそれが適さない地域も多く、まだまだ普及が遅れている。ここに来て注目されている新エネルギーが、EV(電気自動車)である。

 欧州では、環境保護の側面から、再エネシフトと時を同じくして、ガソリン車から蓄電池を搭載したEVへのシフトも進んでいる。英仏では2040年までにガソリン・ディーゼル車を禁止する方針を取り、続いてドイツも30年までに全廃すると議会で決議されるなど、EV化は既定路線である。

 この流れは世界全体でも同じだ。米国では排ガスを出さないZEV(ゼロ・エミッション・ビークル/EVとPHV)を販売台数の割合に応じて売らなくてはならないというZEV規制、中国ではNEV(新エネルギー車/EV・PHV・燃料電池車のこと)に関して同様の規制を設けている。

 そうした自動車の世代交代により、自動車を使った新たなエネルギーシフトの道が見えてきた。