シニアを相手にするビジネスに必要なこととは…写真はイメージです Photo:PIXTA

最近「終活ブーム」を背景に、高齢者に「終活」や「シニアライフ」をアドバイスする民間資格が雨後の筍(たけのこ)のように増えている。新規事業や副業に役立てようと期待して、こうした資格を積極的に取得する人もいるようだ。ただし、本気で高齢者の役に立ちたい、あるいは何らかの「高齢者向けビジネス」を考えているのなら、資格を取得するだけではうまくいくはずがない。(NPO二十四の瞳、百寿コンシェルジュ協会理事長、社会福祉士 山崎 宏)

「終活」ブームで
資格が続々

「終活」や「エンディング」「シニアライフ」に関する「資格」についてネット検索すると、ものすごく多くの認定資格がヒットする。

 これらの資格を取得した人たちが、全国のシニアの老後を支援していることになるのであるが、調べてみるとそこは微妙である。

 例えば、過去に何度もビッグイベントを開催している某資格を取得したある女性はこう言う。

「『この資格のブランドで競合との差別化ができる。結果として事業拡大や顧客獲得につながる』と聞いて1万円ならと取得したものの、なかなか商売には結びつかなくて。まぁ、1万円ですから当然ですよねぇ」

別の男性も言う。

「世の中、終活ブームですからね。イベントをやればそこそこシニア客がやってくるんだけれどね。あれやこれや聞かれるからアドバイスするんだけどさぁ。なかなか財布のひもは固いよねぇ。安くて簡単に取れる資格だから受講者も多いようだけど、主催者だけじゃない、ホクホクなのは」