しかしコメダは、この常識の逆を行っています。高知県に3店舗、鳥取県に5店舗、長崎県に4店舗、山梨県に4店舗と、全国津々浦々に少しずつ、そしてまんべんなく店舗が存在しているのです。ここにコメダの秘密があります。

 なぜか全国津々浦々に、少しずつ、まんべんなくチェーン店を展開できるコメダ。その秘密は、「スタバとのある共通点」「独特なFCシステム」の2つにあります。

真逆の存在に見える
スタバとの意外な共通点

 第一に、スターバックスコーヒーとコメダ珈琲は、コーヒーとして比較すると真逆の存在です。イタリアのカフェを模したスタバと、名古屋の喫茶店のコメダ。コメダのコーヒーもおいしいことは認めますが、スタバの突きつめたコーヒー豆へのこだわりを考えると、そこに共通点はありません。しかしどちらも「サードプレイスとしての居心地良さ」がある。これが共通点なのです。

 サードプレイスとは、アメリカでスタバを発展させたキーワードで、自宅と職場以外に長居することができる「第三の場所」という意味です。

 コメダは独特なカントリー調の店舗で知られ、あの白木の壁材や四角く切り出された木のソファ、木目のテーブルなどが特徴です。店内には昔ながらの喫煙席もあり、スポーツ新聞も置かれ、シアトル発の洗練された雰囲気とは真逆の独特の空気があります。あえて言えば、昭和のフォークソング世代のカップルが憧れたような喫茶店でしょうか。

 ところがそこの居心地がいい、なんか落ち着く――。それがコメダなのです。メニューはドトールのように安くはないが、「居心地込みでこの値段」という価格を受け入れる一定数の消費者層がいて、彼らにとってはいつもそこに居たい場所になっているのです。

 そしてもう1つ、コメダの全国制覇を裏付ける最大の秘密が、独特のFC(フランチャイズ)システムにあります。

「コメダのお店を始めてみたい」とみなさんが考えたとしたら、出店に関して諸々の費用を積算すると8500万円ほどになり、実際はそこに開店準備などの出費を加えて1億円ほどの投資が必要になります。これは「アパート経営をしてみたい」「コンビニオーナーになって独立しよう」という場合と比べると、おそらく2~3倍ほど高いハードルに相当する金額です。