した。その細部は米国の真の財政問題を浮き彫りにしている。それは、社会保障給付などの支出が国防を含む他のすべての重要項目を飲み込みつつあるという状況だ。いま注目すべきは、ドナルド・トランプ大統領が共和・民主両党の合意による新たな予算膨張(複数の法案を束ねた「オムニバス歳出法案」)を受け入れることなく、国防予算をどれだけ救済できるかである。2020年度予算教書には、過去2年間の予算上の判断が反映されている。歳出は前年度比4.8%増の4兆7500億ドルが見込まれている。19年度は10.2%増の見通しだが、これは両党の合意による産物だ。共和党はオバマ政権時代の長期にわたる国防支出の縮小を埋め合わせるため、国内施策の支出拡大で民主党に譲歩した。民主党は2011年予算管理法で定められた歳出上限のおかげで影響力を握った。この上限は2年間にわたって引き上げられた。