ニューヨークの証券取引所Photo:iStock/gettyimages

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

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 今年持ち直した株式相場がここにきて失速して見える理由を考えるには、そもそも株価がなぜ回復したのかを理解しておく必要がある。

 資産価格を形成する要因は市場心理(センチメント)と経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)の2つが大きく、いずれも完璧に合理的だ。そのどちらの面から見ても、2018年末の株価急落と今年の急反発は驚くほど急な動きだった。

 まずファンダメンタルズを見てみよう。株安と時を同じくして世界経済への懸念、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めペースへの懸念、米国が高率の対中関税を課すことへの懸念が高まった。その後FRBが利上げを棚上げし、貿易協議に前進の兆しが見られ、経済への不安は「景気後退(リセッション)」から「景気減速」に弱まったことで株価は回復した。

 では現状はどうなのか。3つの懸念のうち最も和らいだのが利上げ懸念、最も変わっていないのが世界経済への懸念だろう。CMEグループのフェデラルファンド(FF)金利先物は以前は今年2~3回の利上げを織り込んでいたが、現在は7%の確率で利下げが予想され、利上げは全く予想されていない。