とかく可愛らしさに注目されがちな「カー娘。」だが、本書は芯の通ったビジネス書だ。五輪の舞台裏やプライベートな話も盛り込みながら、「チームビルディング」「リーダー論」「コミュニケーション術」「地方創生」「女性の生き方」といった、カーリングとは無縁の私たちにも刺さる要素がふんだんに詰めこまれている。

 カーリングに興味がある人もない人も、ぜひ手にとってお読みいただきたい。必ず得られるものがあるはずだ。(矢羽野晶子)

本書の要点

(1)強いチームづくりにはコミュニケーションが欠かせない。遠回りであっても、メンバー同士が本音でぶつかり合うことが大事である。
(2)カーリングが人生ではなく、人生の中にカーリングがある。結婚や出産を含めた女性としての人生を大切にすること。その経験もカーリングに活かされる。
(3)全力で楽しむことで想像以上の力が発揮できる。練習の苦しさは、その先にある楽しさを味わうためのものである。
(4)著者は今後、業界の底上げをめざし、人材育成、トップチームの強化、そして地域貢献に取り組む予定だ。

◆銅メダルの裏で
◇相手への敬意が何より大事なカーリング

 2018年2月24日は、日本カーリング史に残る日となった。平昌オリンピックで日本とイギリスが銅メダルを競い、日本が見事勝利。カーリング女子日本代表は、初のメダルを獲得したのだ。

 勝利が決まってまず著者がしたことは、5人目の選手として、相手チームのコーチボックスに行って「Good game」とお互いの健闘を讃え合うことだった。カーリングは審判のいない、相手との信頼関係ありきのスポーツだ。だから、試合後はどんな結果であろうと、まずは相手と笑顔で握手をし、感謝を伝えるのだ。