中国はマレーシアで計画している鉄道の建設費を3分の1近く引き下げた。習近平国家主席が主導する世界的なインフラ開発計画に欠かせない建設プロジェクトを救済した格好だ。この建設事業を巡っては、費用が高すぎるとの厳しい批判が向けられる中、両国政府が数カ月前から議論を戦わせていた。マレーシアのマハティール・モハマド首相の公邸によると、両国は「東海岸鉄道」の建設費を655億リンギ(約1兆7800億円)から440億リンギに引き下げることで合意した。マハティール氏は昨春、腐敗防止や財政立て直しを訴えて首相に当選。中国が後ろ盾となるその他のインフラ事業と共に鉄道事業を凍結した。広域経済圏構想「一帯一路」を巡り高まる批判をかわそうと努める中国政府にとって、マハティール氏の措置は大きな圧力となった。