『ばけばけ』第101回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第101回(2026年2月23日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
高等中学存続の危機
カリカリカリと紙にペンが引っかかるいい音をさせながら執筆しているヘブン(トミー・バストウ)。
トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)がそっと執筆部屋に入る。
いまやトキは仕事中にヘブンの部屋に入ってもゆるされるようになっているようだ。妻の特権か。ただし、音は決して立てないように心得ている。
居間では皆が夕食を前にしている。
「書いちょった」と小声でトキは報告。
皆はヘブンの執筆のため、食べる音をさせないように気遣いながら夕食をとる。
するとふいにヘブンがやってきて、「書けた!」とガッツポーズ。
「わたしは英語教師じゃない。書くの 人です」と得意げ。
丈(杉田雷麟)と正木(日高由起刀)は「(教師ではなくても)我々のことは見捨てないでください」と前田敦子的な言い方ですがる。
「わたし、書くの人、でも教師」とヘブンはふたりの学生に気を使う。
「でも書くの人」「でも教師」
そう繰り返して司之介(岡部たかし)は笑う。
第21週のサブタイトルはずばり「カク、ノ、ヒト。」(演出:小島東洋)。
せっかく原稿が書けてご機嫌だったのに、主題歌明けは、熊本第五高等中学校がなくなるかもしれないという噂(うわさ)を耳にしてヘブンは曇り顔になる。
「でも教師」のはずがほんとうに教師じゃなくなってしまうかも?
帝国議会で高等中学校を減らすことが審議されていて、熊本だけではなく金沢や仙台も高等中学存続の危機を迎えていた。文部省予算の削減らしい。
ヘブンの外国人の同僚は「教育に力を入れないでどうする」「日本の政治家は何を考えてる」と作山(橋本淳)を激しく責める。が、作山にはなんの責任も権限もなく、徒労に終わるだけだった。
夜、ヘブンは、丈と正木にだけこの件を話した。彼らの今後にも影響があるから、心の準備をしてもらおうという趣旨であろう。
「野垂れ死ぬ(かも)わからない」
「熊本 よきことない」
ヘブンがいら立っていると、トキが心配して襖(ふすま)を開ける。慌てて丈たちと勉強しているフリをするヘブン。
だが翌朝、トキがド直球で質問を投げかけた。







