今月のある日、品質管理エンジニアのケイトリン・クラールさん(27)はニューヨーク・マンハッタンにある職場でお気に入りの化粧室に入るとポップグループ「TLC」の「ノー・スクラブス」に合わせて少し踊った。波の模様が描かれたその化粧室では、日常的にTLCの曲が流れている。  クラールさんの職場の化粧室ではかつて、グレーのタイルや蛍光灯、床まで届かない扉が普通だった。「まるでラガーディア」空港のようだったという。  会社の化粧室はビルの中で最悪の場所であることが多く、職場の改装で最後まで残る未開拓地だ。