採用難がイノベーションを
阻害するケースも

 前職を辞めてから3~4ヵ月。大阪さんは転職活動の末に、「水中ドローン」を開発するFullDepthに出会い入社を決めた。

 筑波大学発のFullDepthは、技術革新によって深海探査を進めようとするスタートアップだ。当時、伊藤昌平社長自らが試作していた水中ドローンによって、ダイバーに頼ることなく深海の情報を収集し、研究はもちろんインフラ整備や災害対策にも役立てられる、はずだった。

 だが当時、社内にエンジニアは伊藤氏のみ。人手が足りず、開発の第一段階である機械設計工程が思うように進まなかった。「エンジニアを採用しようと、大手人材紹介会社にも仲介を依頼しましたが、会社所在地が茨城県であることから通勤の面で敬遠されてしまう。事業の魅力にまで目を向けてもらうのは難しかったんです」と同社副社長・吉賀智司氏は話す。

 そんな時に前出のアスタミューゼが運営する「転職ナビ」を介して紹介されたのが、大阪さんだった。「ロボット研究、ひいては水中ロボットの研究を行っていたエンジニアなんて滅多にいません。弊社の事業に共感してくれたことも大きく、初めて会ったその場で採用を決めました」(吉賀氏)

大阪さんは転職活動の末に水中ドローンを開発する筑波大学発のFullDepthに入社した大阪さんは転職活動の末に水中ドローンを開発する筑波大学発のFullDepthに入社した 写真:FullDepth社提供

 高度専門人材の転職を熟知した人材コンサルタントがビジョンの一致する両者を引き合わせたことで、条件だけでは成立しなかったであろう採用がついに実現した。