米中貿易摩擦で苦しんでいるのは米国の農家と中国の輸出業者だけではない。昨年の64億ドル(約6992億円)に続いて、今年1-4月だけでも28億ドルを中国のファンドにつぎこんだ米国の投資家も打撃を受けている。MSCIによると、今月だけで中国株の下落率は13%に達している。貿易摩擦の長期化をよそに、米国では多くの投資家が中国投資を進めていたようだ。好調な経済成長から将来、高い収益率を確保しようというわけだ。ただ予想と現実が一致しなければ、投資家は失望するだけかもしれない。歴史が示すように、高成長国の株式市場の収益率が低いのは珍しいことではない。中国を詳しく見てみよう。同国はこの数十年間、世界の主要国の中で――おそらく歴史的にも――最も高い経済成長率を維持してきた。ただ株式市場は2007年10月にピークを迎え、その後の株価の上昇率は配当金の再投資を考慮しても年平均マイナス0.2%で、米国のS&P500種株価指数を8ポイント下回る。