仏やイタリアでは「反緊縮」
「エリートの自由化路線」に反発
一方で、EUの中核国ではどうだったか。
英国では、EUからの離脱の早期・全面的実現を掲げてブレグジット党が3割以上の得票で圧倒的な首位に立ち、これにEU残留を主張する自由民主党が2割弱で対峙する構図になった。
これまで国政を担ってきた二大政党である労働党や保守党は大きく水をあけられた。与党である保守党は、緑の党にも及ばず五番手、得票率は8%台まで落ち込んだ。
離脱の方式、離脱後のEUとの関係をめぐる国会審議が空回りし続けていることに嫌気がさした両党の支持層が、方針のはっきりしている政党の支持に回ったと考えられる。
両党の得票率を併せても、ブレグジット党に遠く及ばなかった今回の結果からすると、国民再投票によって事態を打開するのは困難だろう。
フランスでは、ル・ペン党首率いる国民連合が、僅差ながらマクロン大統領の率いる中道の共和国前進を上回って第一党になった。
国民連合は従来よりも反移民のトーンを和らげ、その代わりに、グローバル化による雇用の空洞化や、EUの政策によるフランスの農業への圧迫に抗するため、国家主権を再び強化するという、現実的な国民国家志向路線を打ち出している。
フランスの国際競争力の回復を目指して、緊縮財政・燃料税増税を実行するマクロン大統領の政策を、エリートによる大企業優遇、庶民いじめだとして非難して抗議活動を繰り広げる「黄色いベスト」とも連携し、「グローバル企業やEU委員会のいいなりになって経済的自由化を推進するエリートVS.国民の生活を守る運動」という対立図式を作ることに成功している。



