フランス全土で「黄色いジャケット」または「黄色いベスト」と呼ばれるデモが吹き荒れている
写真:ユニフォトプレス

フランス全土で燃料税引き上げへの反発から11月17日に始まったデモが今もなお続き、一部は暴徒化の様相まで呈している。「市民革命発祥の国」で起きた、日本人にはもうひとつ実感が湧きづらいこのデモの背景や意味を、Nagata Global Partners代表パートナーでパリ第9大学非常勤講師の永田公彦氏が解説する。

 フランスは、火山立国のようなものです。今回の一連のデモも、230年前から続く噴火活動の一環です。しかも、戦後に頻発した数々の大きなデモに比べ、比較的に小規模ということもあり、この1ヵ月間、社会全体も大きく混乱せず平穏を保っています。

 一方、今回の動きは、単なる階級闘争やマクロン政権叩きではなく、深い意味をもちます。これは、長年にわたる複数のプレート間にできた歪みが崩れて起きたものだからです。

 今後は、一部の市民によるデモから、多くの国民を巻き込んだ政治的議論に舞台を移してゆくでしょう。その最大の論点は、18世紀にジャン=ジャック・ルソーが民主主義の理想とした直接民主制の新バージョンも含めて、市民の力を取り戻そうとする機運が高まる可能性が大きいと筆者は見ています。