イタリアでは、反EU・反移民・反緊縮財政を前面に出す、サルヴィーニ副首相が率いる同盟が3分の1を超える得票で1位になった。

 同じくEUに懐疑的なポピュリズム政党である五つ星運動やイタリアの同胞と併せると、5割台後半の得票率になる。

 五つ星運動や同盟が政権の中枢を担っているイタリアはEUの財政規律に反して、大幅な財政赤字を出し続けており、欧州委員会は議会選挙直後、イタリアに対して、是正しなければ、制裁金35億ユーロ(4300億円)を科す可能性があるとの警告を発している。

 サルヴィーニ副首相は、雇用対策等、国民の利益のために現在の財政政策を維持する必要性から、警告を受け入れるつもりがないことを示唆しており、これが、英国の離脱問題と並ぶEUの経済不安の要因になる可能性がある。

 ドイツでは、失業率が過去最低を記録したこともあって、国内経済格差に不満を持つ旧東ドイツ系の住民を中心に支持を拡大してきたドイツのための選択肢(AfD)の得票率は、前回の7.1%から11%への比較的小幅な増加にとどまり、むしろ緑の党の得票率が大きく伸びて20%に達した。

 その分、連立政権与党であるキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU・CSU)と社民党(SPD)の得票率が大幅に落ち込んだ。

 メルケル首相は移民政策をめぐる党内の意見の分裂や、州議会選挙での歴史的敗北の責任をとって退任することを表明しており、SPDにはリベラル政党としての独自色を出すため、連立を離脱すべきだとの声が根強くある。

 ドイツ自体のEU離脱が本格的に取り沙汰される可能性は今のところ低いが、ドイツ国内をまとめたうえで、EUの政策をリードしていくことは困難になりそうだ。

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「福祉国家」に代わる枠組み作れず

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