米コロンビア特別区(ワシントンDC)の連邦地方裁判所が先ごろ公表した文書によると、中国の銀行3行に4月、法廷侮辱罪に当たるとの判断が示された。3行の具体名は明らかにされていないが、これは米中貿易摩擦に輪をかける危険な要因になりかねない。3行が1年半前の召喚状に従わなかったことが今回の判決につながり、各行は1日当たり5万ドル(約540万円)の罰金支払いを命じられた。だが、3行にとって最大の問題は罰金ではないかもしれない。こうした裁判所の判断は、イランと同様に、3行をドル取引の国際システムから締め出す制裁にもつながる可能性があるからだ。そうした措置を決めるのは裁判所ではなく、財務省と司法省のトップだ。そのため、ドナルド・トランプ大統領にとっては貴重な政治的武器となる。重要な点は、中国はそれに匹敵する武器を持っていないことだ。