香港の抗議デモによる混乱が深刻化する中、地元警察は苦境に陥っている。市民からは、過度な力を行使してデモ隊の怒りをあおっているとの批判を浴びる一方、中国当局からは危機収集に向けて一段と強硬な姿勢で臨むよう促されている。これは3万4000人の警察官を擁する香港警察にとって危険な状況だ。デモ隊の一部は警察署の前に集まり、物を投げつけたり車両を破壊したりするなど、ここにきて警察自体が標的となっている。中国当局は、香港当局が事態を収拾できなければ、人民解放軍を投入する構えもちらつかせており、情勢が一段と緊迫している。軍介入となれば、中国と欧米諸国をつなぐ「自由市場の金融拠点」という香港の特別な地位が揺らぎかねない。
香港警察の深まる苦悩、デモ隊と中国の間で板挟み
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