再選を目指すドナルド・トランプ米大統領には政治的に極めて大きな強みがひとつある。その強みは特に隠されているわけではないが、あまり議論されてもいない。単純な話だ。トランプ氏が現職の大統領であり、かつ所属政党内で強力な競争相手の挑戦を受けそうに見えないことである。そう言えば、予備選の名目上の挑戦者が1人いた。元マサチューセッツ州知事のウィリアム・ウェルド氏だ。同氏は20年以上公職に就いておらず、最後に選挙戦に臨んだのは共和党候補としてではなく、リバタリアン党候補としてだった。一方、トランプ政権の元ホワイトハウス広報部長は先週末、共和党はトランプ氏に対抗する候補者を探すべきだとの考えを示した。しかし共和党内の対抗勢力がこの程度だとすれば、トランプ大統領は、民主党候補たちが現在激しい応酬を繰り広げているような党内の攻撃を受けることなく、予備選を楽に乗り切ることができるだろう。プレーオフ1回戦での不戦勝のようなものだ。
トランプ氏再選活動の強み、党内に有力挑戦者なし
「プレーオフ1回戦での不戦勝」か
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