景気後退が間近だとのシグナルを米国債市場が発しているとしても、国内の消費者はそれに気づいていない。商務省が15日に発表した7月の小売売上高は前月比0.7%増と、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト予想の0.3%増を優に上回った。前年同月比では3.4%の増加だった。出遅れている分野はなく、全般に力強い消費支出を示した。家具販売店、ガソリンスタンド、百貨店、衣料品店の売上高はいずれも増加した。特に目をひいたのは、無店舗の小売業者の2.8%増加だ。アマゾン・ドット・コムが7月に実施したセールイベント「プライムデー」に消費者が殺到したとみられる。アマゾンにとって実店舗で最大の競争相手であり、おそらく国内オンライン販売で最も重要なライバルであるウォルマートも好調だった。15日に発表した5-7月期(第2四半期)の既存店売上高は前年同期比2.8%の増加。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の2.1%増を大きく上回った。ウォルマートは通年の利益予想を上方修正し、同社株は急上昇した。米最大の小売業者は景気後退を懸念してはいないようだ。
米消費者には無縁、逆イールドの景気後退懸念
米小売売上高は堅調、ウォルマートは業績を上方修正
有料会員限定
あなたにおすすめ