アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」は、今年も販売が低迷するとの見方が多い。だが皮肉なことに3機種の新型iPhoneを20日発売したアップルにとって、これは都合のよいことかもしれない。新型iPhone11モデルは、アップルの年度末(9月28日終了)直前に店頭に並んだ。これは総じて、通常パターンに沿ったものだが、アップルは過去2年にやや調整を加え、新型iPhoneの一部機種の発売を秋のより遅い段階に遅らせていた。いずれにしても、アップルの年度スケジュールは、目玉商品とうまく合うようになっており、今回発売の新型iPhoneは同社の2020年度の業績を支援することになる。2020年度のiPhone売上高に関する市場予想は、控えめに言っても低調だ。ファクトセットによると、2019年度の見通しである1415億ドルから、1.5%減になると予想されている。2019年度の予想は、前年比で15.1%減となる水準だ。これらの予想は、アップルが10日に新型iPhoneを発表して以降も、ほとんど修正の動きはない。初代iPhoneが12年前に発売されて以降、iPhone売上高が2年連続のマイナスとなったことはなく、市場予想通りとなれば、異例の落ち込みとなる。
アップル新型iPhone、低い期待値が「追い風」
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