米シェアオフィス大手ウィーワークの共同創業者アダム・ニューマン氏が引きずり下ろされたが、もう手遅れであり、これだけではどうにもならない。ニューマン氏のおおらかな個性に後押しされ、同社は並外れた企業価値を持つまでに成長した。だが市場の力がある時点でそれを現実に引き戻すのは必然だった。もし成長の途上でニューマン氏とソフトバンクグループ(SBG)があと半歩慎重であれば、今の状況は違っていたかもしれない。だが同氏の飽くなき野望は、ウィーワークを守りきれない状況にまで追い込んだ。たとえ同氏が采配を振るうことはなくても、その「遺産」を修正するのは容易ではない。ニューマン氏はウィーワークの親会社ウィーカンパニーの最高経営責任者(CEO)を退いた。今週に入って筆頭株主のソフトバンクから辞任を求められていたとされる。ニューマン氏は非常勤会長職にとどまるが、会社の経営は新CEOに委ねられる。