中国の習近平国家主席は、31日閉幕した第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で、指導者としての自身への支持を確固たるものにした。中国景気の減速や米国との貿易戦争、香港の民主化デモなど問題が山積する中でも、絶対的な権力を維持した。会議ではまた、香港において中国の安全保障を守る対策を強化するとし、香港デモに一段と強硬な姿勢で臨む方針を示唆した。専門家の間では、本土当局に反対する勢力を封じ込めるため、新たな法的権限を導入するのではないかとの見方も出ている。4日間にわたり開催されていた会議の閉幕に当たり、コミュニケが公表された。会議には約370人の中国共産党幹部が出席した。今年の4中全会は、習氏が試練に直面する中で開かれた。習氏の傲慢(ごうまん)な統治スタイルや強引な外交政策を巡っては、エリート層からも批判が出ている。党関係者や政策専門家らの間では、習氏への過度の権力集中が米国との対立激化や経済運営の失策などを招いているとの不満がくすぶっている。
習氏さらに権力基盤強化、批判勢力封じ込め成功か
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