イランのハサン・ロウハニ大統領は5日、翌日から中部フォルドウの原子力施設の地下にあるウラン濃縮施設へのガス注入を開始すると表明した。同施設での活動再開で2015年に米英中など6カ国と交わした核合意に違反するとみられ、欧米諸国は警戒を強めている。イランは7月上旬に核合意に抵触してから、2カ月ごとに追加措置を講じる予定だと警告していた。昨年、核合意から脱退した米国が対イラン経済制裁を再開したことを受けて、イランはその影響を和らげるよう欧州諸国に働き掛けている。米政府は4日、イランの最高指導者ハメネイ師に近い同国当局者を制裁対象に加えた。イラン国営通信(IRNA)によれば、ロウハニ氏は「われわれは明日から新しい第4弾の措置を講じる」と話した。「この第4弾は他の3つと同様、後戻り可能なものだ。(欧米が)約束を完全に果たせば、いつでも完全順守の状態に戻る」と話した。