◇規則正しい勤務体制こそが理想の働き方

 著者は数十年前に、マンガ制作のために「アトリエびーだま」という会社を設立し、アシスタントを社員として雇用している。マンガ制作の現場では、漫画家もアシスタントも徹夜して血眼になって24時間描き続けるイメージが強いが、著者の場合は違う。勤務時間は9時~19時までで、昼と夕方には食事のための休憩時間が1時間ずつある。残業はなるべく少なく、そして徹夜はしないという方針だ。社員はきちんと休みをとり、タイムカードで出退勤管理を行う。

 こうした規則正しい勤務体制は、著者自身の理想的な働き方に合わせた結果だ。著者も漫画家になった当初は、明け方4時や5時までマンガを描いていた。結婚後は、2時くらいには切り上げるようになったが、ラジオの深夜放送が好きで、1時からはじまる番組を朝5時頃まで聞いてしまっていたこともある。翌朝は9時から仕事を始めたので、睡眠時間はかなり少なかった。

 これではダメだと思い、終わる時間を24時、22時、21時と早めていき、最終的には19時に切り上げるようになった。朝は9時から開始というのは、デビュー当時からまったく変えていない。

 終わりの時間を減らして、マンガを描く時間を減らしても、できる仕事の量は変わらなかった。「仕事のできる時間を短く設定してしまえば、おのずと仕事のスピードを速めていける」のである。

◆未来術
◇成功を掴むには、回り道を厭わないこと

 著者が考える成功術のひとつは、「最短で成功をつかむためには回り道を厭わないこと」である。がむしゃらになんでもやってきた人が、比較的早く成功を掴んでいるような気がしてならないと感じている。チャンスは誰でも平等に、至るところに転がっている。あれこれ選ばず、色々なものを拾ってきた人こそが、成功につながるチャンスを掴む可能性が高いのではないか。

 もうひとつの成功術は、人を選ばず、なるべく広く交流を持つことである。「この人と付き合っていてもメリットがない」とすぐに見切りを付けて、人づきあいの幅を狭めていくクールな人は、結局損をしてしまう。