北朝鮮を巡る核危機は新たな段階を迎えている。核開発の大成功が先か、経済崩壊が先かという北朝鮮内部の時間との戦いだ。米政府はその結果を西側に有利な方向へと導くために、より強硬な措置を取るべきである。一方では、北朝鮮が核弾頭と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の生産を推し進めている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は約2年前の2018年1月1日、そう表明した。金氏は核とICBM発射実験の一時停止を巧みに利用し、ドナルド・トランプ米大統領との会談を実現させた。北朝鮮はその間もさらなる戦略兵器の製造を続けていた。十分な核兵器が開発されれば、金氏は再び対立姿勢に転じ、核を盾に瀬戸際外交を展開するだろう。そうなれば今度は米本土がリスクにさらされる公算が大きい。