――筆者のニコラス・エバースタット氏はアメリカン・エンタープライズの政治経済学者 ***  北朝鮮を巡る核危機は新たな段階を迎えている。核開発の大成功が先か、経済崩壊が先かという北朝鮮内部の時間との戦いだ。米政府はその結果を西側に有利な方向へと導くために、より強硬な措置を取るべきである。  一方では、北朝鮮が核弾頭と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の生産を推し進めている。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は約2年前の2018年1月1日、そう表明した。金氏は核とICBM発射実験の一時停止を巧みに利用し、ドナルド・トランプ米大統領との会談を実現させた。