ドナルド・トランプ氏はハーバート・フーバー氏以来、最も保護主義的な米大統領であるため、過去3年間の通商政策の目標の1つはダメージコントロールだった。これは、トランプ氏の北米自由貿易協定(NAFTA)改正に対する支持票を民主党から得る上での、現時点での最良の説明だ。良いニュースは、NAFTAに代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」によって、1994年に発効したNAFTAを放棄し、北米大陸の貿易を破壊するというトランプ氏の脅しに終止符が打たれることだ。新協定は、もともとNAFTAに盛り込まれていた関税撤廃の項目の大半を維持するものになっている。今年1~10月の米国のメキシコ、カナダとの貿易額が計1兆ドル(約109兆4000億円)を超えている状況を見れば、これは小さな出来事ではない。