一方で、昨年までは徐々に順位を上げていたにもかかわらず、急落したのが栃木県だ。15年は40位まで順位を下げていたが、16年34位、17年28位、18年には16位にまで上昇。しかし、今年は33位となった。

 栃木県出身者に尋ねた誇りに思う要素では、「医療や福祉が充実していること」と回答した人はたった3.8%、「財政が健全であること」も2.0%にとどまった。急落の原因については、こうした誇りに思う要素に対する出身者の回答をひもといて、分析・理解していくことが大切だろう。

愛着度を上げるのは意外と簡単
まずは住民へのブランディング強化を

 今回のランキングの結果からも明らかなように、愛着度の順位は大きく変化しやすい。

 例えば、前回取り上げた「観光意欲度ランキング」では、なんとトップ5の顔触れは2009年から全く変わっておらず、下位から上位に食い込むことは非常に難しい。しかし愛着度は、今回2位になった鹿児島県(昨年11位)や7位奈良県(昨年32位)のようにたった1年で躍進することが可能だ。一体なぜ他のランキングに比べて、変動が大きくなるのか。

「都道府県の魅力度をアップさせるには、地元の都道府県外の人々に向けたブランディングの強化が必要で、時間もお金もかかる。一方で、愛着度であれば住民や出身者に対してだけ施策を行えばいいため、短期間で成果が出やすい」(田中社長)

 実際、魅力度をアップさせるために、外部に向けたさまざまな宣伝広告やイメージアップの施策を行う自治体は少なくない。しかし、地元住民や出身者が愛着を持たない都道府県は外の人から見ても魅力的ではない。まずは地元住民が愛着を持てる街を作り、その後に外部施策を行うことで、より早くブランディングの効果が表れてくるのではないか。

(ダイヤモンド編集部 林 恭子)