豊洲市場豊洲市場での一般客の買い物、今年は事情が変わってきたようです Photo:PIXTA

令和最初の年末年始は、普段食せない豪華な食材、とりわけカニやマグロなどのおいしい魚介を食べたいもの。これから年末にかけて、食材の買い出しに出かける人も多いことだろう。特に首都圏では、昨年築地市場から移転した豊洲市場での買い出しを検討している人もいると思われるが、実はその「買い物事情」は昨年と変わりつつある。そこで、令和最初の年末年始の買い出しで気をつけるべきことや豊洲市場の上手な活用方法をおさなかコーディネータのながさき一生さんが紹介する。(おさかなコーディネータ ながさき一生)

「一般客は豊洲で買い物できない」
開場1年で状況が変わってききた

 築地市場から移転して1年以上が経過した豊洲市場。私たち消費者と豊洲市場の関係は、この1年で変化しつつある。豊洲市場を管理する東京都は、当初から仲卸売場へのプロ以外(一般客)の立ち入りを徹底的に禁止してきたが、状況が少しずつ緩和されつつあるのだ。

 ただし、誤解がないように先にお伝えしておくと、今でもプロではない一般客は仲卸売場へ入場できないルールになっている。実際、東京都に問い合せると、今でも「一般客の仲卸売場への入場はできません」と案内される。

 しかし、プロと一般客の違いはどこにあるのかというと、実は説明が難しい。セリへの参加とは違い、仲卸売場への入場には資格や入場証のようなものがあるわけではなく、プロと一般客の境目は曖昧だ。このような状況は、移転前の築地市場や都内の他の市場でも同様で、複雑な状況を生む要因にもなってきた。

一般客NGで売り上げ減少!
一部の仲卸業者にとって痛手に

 さて、移転したばかりだった昨年末の豊洲市場では、一般客の立ち入りは完全にNGとされ、仲卸売場の入り口では警備員が厳しくチェックする状況だった。これに対して、一部の仲卸業者からは不満の声が上がっていた。

 移転前の築地市場では、これほどの厳しいチェックがなかったため、仲卸売場を買い物目的で訪れる一般客も一定数おり、年末年始ともなるとそれなりの金額の買い物をしていた。これが、一部の仲卸業者にとって収入源となっていたのだ。そのため、一般客の立ち入り完全NGはこうした仲卸業者の痛手となった。

 こうした状況を受けて、昨年末以降、東京都も仲卸売場への入場を一般客にも開放することを検討し始めた。この流れの中で、他の市場と同じように、イベント的に正式に一般客が入場できる日を設ける取り組みが行われるようになった。