10月下旬、開場後約2週間たった豊洲市場をお忍びで視察した後、意気揚々とヨーロッパへ外遊に旅立った小池百合子東京都知事。だが実際には、開場前から懸念されていた、そして新しい残念な問題の数々が明らかになっているのだが、気付かなかったのだろうか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)
「前もっていろいろ準備をされてしまうと、ありのままが見られないと思いまして、そのままうかがった次第でございます」――。
東京都の小池百合子知事は10月下旬、“お忍び”で豊洲市場を視察。水産仲卸売場棟の店舗フロアなどを見て回った。同月26日の定例記者会見で、事前に訪問を告知しなかった理由をそう説明した。
視察の結果、駐車場や駐輪場に工夫の余地があるとか、業者の従業員による喫煙所以外での喫煙や、吸い殻のポイ捨てが問題だと感じたと述べた。
一方で、都がアピールしてきた「閉鎖型」の構造であることについては「かなりの部分で守られている」との評価を下した。
だが、「多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」という古代ローマの英雄ユリウス・カエサルの残した言葉がある。「ありのまま」を見たつもりの小池知事も残念ながら、その例外ではないようだ。
そんな小池知事に成り代わって週刊ダイヤモンドが、小池知事が訪れたのと同じ頃の豊洲市場内の模様を取材したので、それこそ“ありのまま”にお伝えしよう。