高評価の立地優位性と災害時の事業継続性
その幕開けを飾る第1弾のプロジェクトとなったのが、京浜トラックターミナル(東京都大田区)内に建設したマルチテナント型の高機能型物流施設「ダイナベース」だ。地上5階建て・延床面積約9万7000平方メートルと都内の物流施設でも有数の規模を持つダイナベースは、18年7月の竣工前に満床契約となる人気ぶりとなった。
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ダイナベースに入居したのは、医薬品卸大手の東邦ホールディングスと総合食品商社の尾家産業。両社とも東京・平和島という圧倒的な立地優位性と労働力の確保が容易な点に加え、JMTの災害時における事業継続性を高く評価した。同社の4カ所のターミナルは、東京都が策定した地域防災計画で23区内の陸上施設として唯一、広域輸送基地の指定を受けている。また、免震構造の採用や72時間稼働の非常用自家発電設備など万全の体制を構築。秋山社長は「災害に強い公共トラックターミナルの実現に向け、プライベートセクターでは難しいレベルでの投資を続けています」と自信を見せる。
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ダイナベースに続く物流センターの第2弾となるのが、葛西トラックターミナル(東京都江戸川区)内に建設する地上5階建て・延床面積約5万8000平方メートルの物流施設で、通販大手のアスクルが入居することが決定した。JMTにとって初のBTS型施設(Build to Suit=特定テナントのニーズに応じて建設する物流施設)で、20年3月に建設を開始し、21年8月に竣工を予定する。
アスクルは同施設をBtoB通販の戦略拠点として運営していく計画だが、そのことはJMTの物流センターの持つポテンシャルが通販の配送拠点として評価されたことを意味する。秋山社長はアスクルとの契約について「公共トラックターミナル内に拠点を持つことの社会的意義についても高く評価していただき、ダイナベースで得た勢いをつなげることができました」と語る。