歯に衣着せぬ配慮のない言い方に、つい感情爆発で反発する――。これでは到底まともな会話は成り立たない。書籍『「職場のやっかいな人間関係」に負けない法』を出版した人事・人材育成コンサルタントの飯塚健二氏が、認知科学をベースにした考え方「iWAM(アイワム)」を用いて、こうした正反対な相手に対して、どう円滑にコミュニケーションを図るべきかをレクチャーする。
歯に衣着せぬ物言いに
感情むき出しの反発
とある管理職会議での出来事――。製造課で品質トラブルが発生してしまい、神妙な面持ちで、担当者がトラブル報告をした場面で。
品質管理課のA課長は、
「一体どうするんだ? 今回のトラブルは、以前にも同じような原因で起きているじゃないか。まったく情けない。このままじゃ、次もまた同じことを繰り返すことになるぞ。恥ずかしいと思わないのか。だいたいな……」
と厳しい口調で、次々と非難の言葉を浴びせかける。担当者は下を向いたまま、返す言葉もないという感じ。その場の雰囲気は最悪。
同席していた生産技術課のB課長が、
「まぁまぁ、彼にもいい分はあるし、相当反省しているのは誰の目から見てもわかるじゃないですか……」
と、助け船を出す。A課長は、そんなB課長に突然、怒りの矛先を向ける。