新型コロナウイルス「Covid-19」の治療薬に賭けても、投資家のポートフォリオにとって万能薬とはならなさそうだ。新型ウイルスの感染拡大で影響を被った企業の株価は急落した一方、解決策を見いだせそうな企業の株価は急騰している。米バイオ医薬品会社のVirバイオテクノロジーは2月25日午前、Covid-19の治療薬開発に取り組むと発表。株価は28日に下落したものの、週間では倍余りに跳ね上がった。ヒト臨床試験用にワクチン候補薬を出荷したモデルナも一時、週明けから倍以上に値上がり。バイオテク関連の小型株が軒並み急落する中で逆行高を演じた。疾病が流行すると小型のバイオテク銘柄が乱高下するのはよくあることだが、大型の製薬株までが激しい値動きになっている。バイオ製薬大手ギリアド・サイエンシズだ。同社は新型コロナウイルス感染症の治療薬として有望視される抗ウイルス薬「レムデシビル」について、3月からアジアで2件の後期臨床試験を開始する。ギリアド株は2月最終週に一時、1年ぶり高値を更新したが、翌日には急落した。