米コロナ休校、デジタル格差浮き彫りオンラインで宿題をやるグレース・フラドさんの3人の子どもたち。普段通学するシアトル郊外の学校は新型コロナウイルス感染拡大を受けて閉鎖されている Photo:Brooke Fitts for The Wall Street Journal

 新型コロナウイルス流行を封じ込めるための学校閉鎖が相次ぐ中、全米の学校では遠隔技術を用いて授業を行う能力が試されている。そしてもう1つ試されているのは家庭のハイテク対応力、つまり子どもたちがバーチャル授業にログインするための技術的な準備ができているかどうかだ。

 米ワシントン州シアトル郊外のノースショア学区では全33校、2万3500人余りの児童・生徒が9日朝から、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」またはビジネスチャットツール「Microsoft Teams(マイクロソフト・チームズ)」に参加して教師とミーティングを行い、学習管理サービス「Google Classroom(グーグル・クラスルーム)」を通じて宿題を終わらせることになった。

 この地域はアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトの本社に近いが、多くの家庭は技術的な要件を満たすことができなかった。同学区は2600世帯以上にコンピューターを貸し出し、インターネットに接続できるWi-Fiホットスポットを提供する必要があった。

 サンフランシスコやニューヨークなどその他の学校も相次いで休校となった。多くの学校は授業日数が大幅に減ることがないよう、そして年度末の補習授業が増えすぎないようにオンライン授業を提供している。専門家によると、年度末の授業延長は生産的でないことが分かっている。子どもたちが夏休みを控えてそわそわするからだ。