ストレス源と生きがいが重なっている場合、ストレスは健康を害するのではなく、むしろ健康に役に立つと考えられる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 本書『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』は「ストレス」の正しい捉え方、付き合い方について書かれたものだ。なかには従来の考えとは異なる内容も含まれており、にわかには受け入れがたい部分もあるかもしれない。だがさまざまな科学的調査や実験データに裏付けられており、説得力が感じられる。

『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』書影
『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』 ケリー・マクゴニガル著 神崎朗子訳 大和書房刊 800円+税

 本書はPart1とPart2に分かれている。「ストレスを見直す」と題されたPart1では、「マインドセット(考え方)が体に影響を与える」という研究の紹介から始まる。その後、ストレスを感じたときの反応の種類、ストレス研究の歴史などが紹介される。興味深いことに、ストレス源と生きがいは重なることが多い。実際、ストレスが多い人のほうが、より人生に充実感を覚えているという調査結果もある。

 続く「ストレスを力に変える」と題されたPart2では、ストレスを味方につけるためのマインドセットが語られる。強いストレスを感じた際、どのようにしてストレスをパフォーマンス向上に役立てるか、バーンアウト(燃え尽き)しないように働くにはどう目標設定すればいいのか、逆境を克服するにはどうしたらよいかなど、実験データや調査結果、具体事例などとともに明かされるのがポイントだ。