催促されてパニックになる女性写真はイメージです Photo:PIXTA

確定申告や仕事の納品、テスト勉強など、「いつも締め切り直前まで動けない…」と自己嫌悪に陥っていませんか? ギリギリまで先延ばししてしまうのは、単なる『怠け者』だからではありません。期限直前まで動かない人の頭の中で一体何が起きているのでしょうか。この心理の正体を知れば、動かない部下に困らされている上司にとってもマネジメントの大きなヒントになるはずです。締め切り地獄から抜け出し、周囲からの評価を下げないための「3つのシンプルな解決策」を解説します。(文/心理学者・立正大学客員教授 内藤誼人)

ギリギリ癖は怠けじゃない
締め切りに潜む「脳のバグ」

 確定申告の今年の申告期限は、3月16日です。皆さん、作業は進んでいますか。まだ少し先だと思っていても、気がつけば直前になって慌てる人は少なくありません。

 むしろ、締め切りが遠いうちはなかなか動けず、目の前に迫ってから急に焦り始める――そんな流れのほうが、人間には自然なのかもしれません。

 実際、チューリッヒ大学のコルネリウス・ケーニヒらは、締め切り前に行動が集中する現象を「デッドライン・ラッシュ」と呼んでいます。

 人は締め切りがあると、その日に向かって均等に努力するのではなく、期限が近づいてから急に動きがちなのです。

 だから、「自分は怠け者だからダメなんだ」と考える必要はありません。まずは「人間はそういう傾向を持っている」と知っておくほうが役に立ちます。問題は、その先にあるのです。

 締め切り直前まで動かない人の多くは、単に先延ばししているだけではなく、心のどこかで「まだ何とかなる」と見積もっています。

 これは計画錯誤という心理傾向です。人は将来の作業時間を、実際より短く見積もりやすいことが知られています。