ジョージ・フロイドさんが米ミネソタ州ミネアポリスの警官に拘束された際に死亡した3日後、連邦最高裁判所の判事らは非公式に集まった。長い間保留とされてきた大量の上訴を検討するためだ。警官から虐待的な行為を受けた多くの被害者が、加害者の警官を訴えるのを困難にしている「法の原理」を見直すよう求める上訴だ。タイミングは偶然一致したにすぎず、最高裁はこうした上訴に対して行動は起こしていない。だがミネアポリスの事件も含め多くのケースで、「資格による免責(qualified immunity)」という権限の存在が浮かび上がってきた。警官を訴訟から守るためのもので、大半の法執行措置が対象とされる。1967年に最高裁が認め、その後強化された。