中国とインドの国境付近で15日に発生した両国軍の衝突は、中国政府が自国周辺の領有権主張を巡り、一段と強硬姿勢を取るリスクを浮き彫りにした。この衝突でインド軍兵士少なくとも20人が死亡した。中国側の死傷者数は明らかではない。インドの安全保障当局者によると、中国は18日、衝突時に拘束していたインド軍兵士10人を解放した。兵士らを拘束していた間、中国は外交・軍事経路を通してインドと交渉していた。中国軍が自国国境近辺で他国軍と衝突して死者を出したのは、知られる限りでは約30年ぶりだ。中印の兵士らは数週間前から、ヒマラヤの実効支配線を挟んでにらみ合いを続けていた。外国政府は中国の習近平国家主席が外交問題を巡って強硬姿勢を強めていると指摘しており、ヒマラヤを含め長年続く複数の領土問題が今年に入り深刻化している。
中国の領土的野心、中印衝突で浮き彫りに
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