マークス・ブラウン氏は、ミュンヘン郊外の小さな町の目立たない企業だったワイヤーカードを、電子決済分野の世界的大企業に育て上げた。電子商取引の要の部分にかかわる好位置にあったワイヤーカードは、さまざまな事業者のクレジットカード取引の決済サービスで手数料を得ていた。同社は、もっと多くの顧客を獲得するため新興市場での事業にも乗り出し、より小規模な企業を何社か買収した。同社の財務諸表で見る限り、売上高と利益は着実に拡大していた。ワイヤーカードによれば、同社は25万の事業者の1400億ドル(約15兆円)に上る取引の決済サービスを行っており、スクエアや、ペイパル・ホールディングスのライバルとなっていた。ワイヤーカードの評価額は一時期、ドイツのどの銀行よりも大きくなった。
ワイヤーカード、IT業界寵児から転落の軌跡
捜査当局は架空取引による収入水増し疑惑を調べている
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