私の体感では、日本では他国ほどは盛り上がらず、2017年にブロガーのはあちゅう氏が電通時代のパワハラを告白したことや、2018年に財務次官セクハラ疑惑で野党政治家がハリウッドをまねて黒い服を着て抗議したことなどが記憶に残るくらいだ。

 それに対して、韓国では2018年に秘書女性への性的暴行を告発された安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が実刑判決を受け、2020年4月に釜山市の呉巨敦(オ・ゴドン)市長が女性職員からセクハラ被害を告発されて辞職するなど、#MeToo運動が大きなうねりになっている。

 それだけに、フェミニズム運動の中心人物として高名な朴市長がセクハラで告訴されたことは、本人にはもちろん、関係団体や支持者にもダメージを与えたことは想像にかたくない。

 ただ、朴市長はもともとセクハラ体質の強い人物で、しかも悪質だったと報じている韓国メディアもある。被害を告白した元秘書の女性によれば、性的なメッセージを何度も送り、ボディータッチも頻繁に行っていたとある。「朴市長自身の卑猥な画像を送って、相手の卑猥画像を要求していた」という報道もあり、それが事実であれば儒教社会の韓国では壊滅的なイメージダウンになったはずである。

 韓国は、特に女性は実力以上に容姿が重視されて、女性らしさを過度に求められる典型的な男性上位社会だといわれることがある。そのために、美容整形手術が一般レベルに浸透していることは日本でも知られている。

 以前、ダイヤモンド・オンラインに寄稿した『韓国の自殺率はなぜOECD加盟国でトップになったのか』でも書いたように、1997年のアジア通貨危機で韓国経済は壊滅的なダメージを受けて、労働者に過剰なサービス残業を強いる超ストレス社会になっている。日本より貧富の差が激しく、日本以上に企業への忠誠心が求められる。

 韓国はもともと儒教の影響が根強く年上の発言力が強いので、企業においても上下関係にはかなり厳しい。それだけに、上司の言うことに逆らえない雰囲気があるといわれる。