米IT(情報技術)大手4社GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)にとって、今は経済力を見せつけるときではなかったかもしれない。
アマゾン、アップル、フェイスブックが30日発表した4-6月期決算はいずれも好調だった。特にアマゾンは、 大方の市場予想を完全に覆した。営業利益は89%増となったが、予想は60%減だった。
グーグルの親会社アルファベットの決算では広告収入が前年同期比で初めて減少し、ややさえない結果となった。だがグーグルはクラウドコンピューティング事業の売上高がアナリスト予想を大幅に上回るなど、ポジティブな要因が複数見られた。
決算発表を受け、GAFAの株価は時間外取引で軒並み上昇し、年初からの上げ幅を拡大している。くしくも、 GAFA各社の最高経営責任者(CEO)が市場での支配力を巡り議会公聴会で糾弾された翌日に決算発表が行われた。ビデオ会議システムを通じて5時間以上にわたり、議員らは非競争的行為やユーザーのプライバシー、偽情報といった問題について追及した。
投資家はこの種の政治劇には見向きもしなくなっている。議員や規制当局は数年前からGAFAに対し圧力をかけているが、ほとんど成果を挙げていない。29日の公聴会は、IT大手が1つの政治的信念に対して不利な状況をつくり出しているという、まだ証拠のない考えに関する質問が飛ぶなど脇道にそれる場面も多々あった。また、IT大手のCEOたちが必ずしも共同戦線を張っているわけでもない。アマゾンのジェフ・ベゾスCEOがソーシャルネットワークについて「ニュアンスを破壊するマシン」と表現したのは印象的だ。