安倍政権の肝いり政策だった就職氷河期世代支援プランが2020年度からスタートした。しかし、地方自治体の担当者らに取材をしてみると、その実態は事実上の「開店休業」であることが分かった。コロナ禍による解雇や雇い止めは6万人を超えたが、コロナ時代は、リーマンショックをはるかに超える規模で、今後引きこもり層が顕在化してくるだろう。(ジャーナリスト 池上正樹)
就職氷河期世代支援プランが
2020年度からスタートしたものの…
2020年度からスタートした安倍政権肝いりの政策「就職氷河期世代活躍支援プラン」に、「ひきこもり(8050等の複合課題)支援」が組み込まれたことは、連載の前回記事『安倍政権7年8カ月、「引きこもり政策」視点では評価できる理由』で紹介した通りだ。
19年11月、首相官邸でひきこもり当事者団体も交えた会議体(プラットホーム)の全国版が開かれ、12月末には、この支援プランに基づいて、関係府省会議で決定した「就職氷河期世代支援に関する行動計画2019」が公表されている。
しかし、各地の現場で進捗状況を尋ねてみると、国が目指した各都道府県と市町村でのプラットホームづくりは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって、なかなか進んでいないのが現実のようだ。