サウジアラビアは、石油輸出国機構(OPEC)が来年初めに計画している増産の延期を検討している。サウジの複数の石油担当アドバイザーが明らかにした。世界各地で新型コロナウイルス感染が拡大し、リビア産原油が市場に再び流入するとみられる中、供給増への懸念が高まっているからだ。サウジが主導するOPECの加盟13カ国と、ロシアを中心とする非加盟の主要産油国10カ国は4月、コロナによる打撃が世界で拡大する中で過去最大規模となる日量970万バレルの減産を実施することで合意した。産油国は年末までにコロナ流行が収束するとの想定で、半年ごとに原油生産を日量200万バレル増やし、生産量を徐々に回復させることを取り決めた。