次に起こる危険な新型ウイルスの流行の初期対応はこうなるべきだ。ある都市の一部の住民が熱やせきを発症し、数人が入院する。機械学習アルゴリズムによって、スキャンした患者の肺の異常が速やかに検出される。科学者が、日常的に収集している血液サンプルに奇妙な感染のパターンを発見する。それは、謎の病原体が拡散していることを示している。双方のシステムが公衆衛生当局にアラートを発信し、当局が数時間以内に新型ウイルスを特定。調査員の一団が派遣され、病気を発症している人やウイルスにさらされた人たちを隔離・治療することで封じ込めが図られる――。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で得られた最大の教訓の1つは、スピードが物を言うということだ。急速に広がるウイルスを見つけ、阻止するチャンスは極めて限られており、ミスは許されない。