人口2億人余りのブラジルで、新型コロナウイルス予防ワクチンを巡り、政治闘争が巻き起こっている。中国産ワクチン候補の受け入れを巡り、同国のジャイル・ボルソナロ大統領とサンパウロ州のジョアン・ドリア知事が対立しているためだ。ブラジルはコロナ禍で深刻な打撃を受けているが、大物政治家の衝突で、最もぜい弱な立場にある市民へのワクチン投与が妨害されかねないとの懸念が出ている。ボルソナロ氏は21日、中国の民間医薬品会社、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発中のワクチン候補について、連邦政府が購入することはないと明らかにした。シノバックはサンパウロ州とワクチン開発で提携しており、専門家らは、ブラジルでは同社のワクチンが最初に承認される可能性が高いとの見方を示している。
中国産コロナワクチン、ブラジルで政治対立の火種に
有料会員限定
あなたにおすすめ