おしゃべりは感情の言語化の第一歩

――一般の方におすすめしたいアクションはありますか。

 相手の性別に関係なく、お茶をすることを勧めています。お茶とは特に何か目的やテーマがなく、感じたこととか考えたこととかをおしゃべりすることです。自分の感じたことを相手が同じように共有してくれることで「こんなに気持ちが救われるんだ」という感覚を経験することが、男性にとってもプラスになるのではないかと考えています。

――成人男性とおしゃべりのイメージはあまり結びつかないのですが、中高生男子がファミレスなどに何時間もいる場面はよく見かけます。男性も10代の頃はお茶をしていたのかもしれないですね。

「お茶のハードルが高い」と男性から言われることがあるのですが、若い頃、部活帰りなどみんなで集まっておしゃべりをしたことはあると思うんですよね。それを性別や恋愛感情に関係なく、楽しめるようになるといいと思います。

 おしゃべりをすることで、性格や価値観は性別や年齢などのカテゴリーではなく、人それぞれということが見えてきます。おしゃべりをするにあたり、自分の感情についても説明する必要が出てくるので、言語化する力が育まれると思うんです。そして、自分の感情を言語化できるようになれば、男らしい生きづらさの緩和につながるのではないかと思います。

――お茶のハードルが高ければ、ランチをするとか、ノートに自分の感情を書いてみるとかでも言語化の練習にはなりそうですね。ありがとうございました。

【プロフィール】
清田隆之
1980年東京都生まれ。文筆業、恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。早稲田大学第一文学部卒業。これまで1200人以上の恋バナを聞き集め、「恋愛とジェンダー」をテーマにコラムやラジオなどで発信している。『cakes』『WEZZY』『QJWeb』『an・an』『精神看護』『すばる』『現代思想』『yom yom』など幅広いメディアに寄稿。朝日新聞be「悩みのるつぼ」では回答者を務める。桃山商事としての著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)『生き抜くための恋愛相談』『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』(共にイースト・プレス)、トミヤマユキコ氏との共著に『大学1年生の歩き方』(左右社)、単著に『よかれと思ってやったのに─男たちの「失敗学」入門』(晶文社)がある。※スタンド・ブックスHPから:http://stand-books.com/sayo-ore/