米ドルは今週、通貨バスケットに対して2週間以上ぶりの安値をつけた。投資家やアナリストはさらに下落すると見込んでいる。問題は、あとどのくらい下落するのか、そしてどれだけ急ピッチで下げるかということだけのようだ。コンセンサスとなっているドルの先安感には、大きな前提条件がある。それは、新型コロナウイルスの感染が今後は多少なりとも抑制できるという見方だ。ワクチンが登場すれば世界各国が来年のうちに正常化できるとの見方から、投資家は安全性が高いとみられる米国の資産に背を向け、米国以外の株式や債券、通貨に関心を寄せている。米ドルが下落する一方で、米国の株式市場は活況を呈している。ダウ工業株30種平均は24日に初めて3万ドルの大台乗せを達成。ドルが下落すれば、海外で事業展開する米企業はドル建てに換算した利益が押し上げられるため、株価にとって追い風となる。