親しい友人同士でもあまり明かすことがない、貯蓄事情。年収が同じぐらいだと思っていた友人に対して、ふとした拍子に「もしかして自分よりはるかに貯めている……?」と感じる瞬間は、何とも言えないものがある。「転職サービスDODA」が10月1日に発表した「ビジネスパーソンの貯蓄事情2012」によると、22~34歳(平均28.8歳)の平均貯蓄額は338万円だとわかった。貯まる人と貯まらない人には、一体どんな違いがあるのだろうか。
アンケートは2012年3月5日~3月6日。アンケート対象は、22~34歳までのホワイトカラー系職種の男女(正社員、契約社員含む)。有効回答数は5000件。
貯まるか、貯まらないか
分岐点は26~28歳にあり!?
平均貯蓄額を年齢別に見ていくと、大学新卒者に多い年齢となる22歳では101万円に。ただし、最も多いのは「50万円未満」で39%だった。次ぐ「50~100万円」は20%で、ほぼ半数以上は100万円以下の貯蓄額だったが、この年齢ですでに「100~200万円」(25%)、「200~300万円」(4%)という人も存在し、平均を押し上げるかたちとなっている。
一方、アンケート対象の中で最年長である34歳の平均貯蓄額は464万円。こちらは、半数以上が100万円以下という22歳の貯蓄額分布図とは大きく異なっており、「50万円未満」(18%)から「1000万円以上」(13%)までの割合が、ほぼすべて10%台で並んでいる。年齢が上がるにつれ、「500万円~1000万円」、「1000万円以上」など貯蓄額が多い層は比例して増えるが、逆に「50万円未満」の層は30歳から34歳まで、18%前後で変わっていない。
年齢が若いうちは貯蓄額分布図も低い金額に偏りがちだが、34歳の貯蓄額分布図のように全体的に偏りがなくなる傾向は、26~28歳頃を境に顕著となる。この時期が、「貯蓄額の多い人」と「少ない人」の分岐点と言えるのかもしれない。
ちなみに、年齢と貯蓄額はほぼ比例するが、一箇所だけそうでない年齢がある。それは、29歳(平均貯蓄額349万円)と30歳(平均貯蓄額328万円)だ。これについてDODAは、「30歳の人に、1年前より貯蓄が減った理由を聞いてみると、『車やマイホームを買った』といった声が目立ち、30歳という節目の年に大きな買い物をすることで一時的に貯蓄が減る人が多いことがわかりました」としている。