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防衛費「GDP比2%」、2年前倒しで達成
さらなる増額の財源で有識者会議初会合
ロシアのウクライナ侵攻や米国、イスラエルによるイラン軍事攻撃など、軍事力を背景にした力の論理による強国の利害追求が横行し、アジアでも中国の海洋進出や北朝鮮のミサイル発射実験の活発化など地政学リスクが高まる日本の防衛力の強化も避けて通れない課題だ。
政府は4月27日、国家安全保障戦略など安保関連3文書の年内改訂に向け有識者会議の初会合を開いた。議論の焦点は、AI活用やドローンなどを使っての「新しい戦い方」や2027年度以降の防衛費増額とその財源をどうするかだ。
高市政権は、岸田政権時代に策定された防衛費の対GDP(国内総生産)比を、2027年度までに2%に引き上げる防衛力増強計画を2年前倒しで実現したが、昨年11月の日米首脳会談では、防衛三文書の改訂やさらなる防衛費増額の意向を表明した。
だが、問題は防衛力の強化に必要な財源をどう確保するのかだ。
このところのインフレで、税収は膨らんではいるものの、少子高齢化の下、医療、介護、年金などの社会保障費は構造的に増え続けるうえ、巨額に積み上がった政府債務の利払い費なども、今後の財政圧迫要因となっていく。
仮に、防衛費をGDP比2.5%まで引き上げるとすると、防衛費は、24年の日本の名目GDP(約600兆円)を基準に単純計算して、約15兆円となり、追加的に5兆円を超える財源が必要になる。
戦争を起こさないためには、戦力の均衡を可能な限り維持し抑止力につなげていくことはやむを得ない選択肢だが、どのように財源を調達するかの議論は、後回しになっているのが現状だ。
参考になるのは、ロシアの脅威や米国の圧力の強まりの一方で、日本と同様に、少子高齢化で社会保障費の恒常的な増加が財政をひっ迫させるなか、国防費増額を図っている欧州諸国の取り組みだ。







