米国の政府機関や一部の大手企業に対する何カ月にもわたる広範なハッカー攻撃は、予想外の企業を介することで実現していた。テキサス州オースティンにあるほとんど無名のソフトウエア会社ソーラーウィンズだ。今週までコンピューターネットワーク管理者の間でしか知られていない企業だった。コンピューターセキュリティー関連の捜査員によると、ソーラーウィンズは多くの政府機関のほかフォーチュン500企業のうち400社余りを顧客に抱え、入念に実行されたハッキングに完璧な展開機能を提供する形となった。ハッカー攻撃はロシアの諜報(ちょうほう)機関が関与したとされている。ハッカーが標的にしたソフトウエアは多くの企業で根幹を担っているが、通常注目されることはなく、コンピューターネットワークとソフトウエアの更新や稼働を維持する技術要員が主に使用するものだ。