先行きの見えない2021年。これからは「新しいこと」や「人と違ったこと」を考えるスキルが重要になってくる。だが、「考える」といっても、いったい何をどう考えればいいのか?
そんな人に読んでほしいのが、このたび刊行された書籍『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』だ。
著者の藤原麻里菜氏は、「無駄づくり」という異色のコンテンツをネットを中心に展開しており、これまでに何百もの作品を発表、その人気は海外にも波及し、台湾での個展では2万5000人もの観客が殺到、SNS再生数は4000万回にも達する話題の発明家だ。
そんな著者が、これまでに発明を何年も継続してきた中でつかんだ「考えるテクニック」をあますところなく詰め込んだのが本書だ。「何も出てこない……」とうんうんとうなっているなら、本書をパッと開いて、好きなワザを使ってみてほしい。「逆転」「主語変え」「マナー破り」「合体」「似たもの合わせ」……便利に使える思考ワザが満載である。
本稿ではこの『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』から特別に、一部を抜粋・編集して紹介する。
「ハリウッドデビュー」したい
頭の中でアイディアを考えていると、どんどん壮大になっていくことがあります。
非現実的だったり壮大な欲望はたくさん抱いたほうがいいとは思いますが、壮大な欲望をそのまま実現するのは難しいです。
わたしはよく「ハリウッドデビューしたいなあ」と思うのですが、ほとんど無理です。
だってわたしは女優でも監督でもないからです。でも何かしら奇跡が起こってデビューするかもしれないので、「ほとんど無理」という少しだけ可能性があるような言い方をしました。
とはいえ、無理です。こういう欲望を解決するのはかなり難しいものです。しかし、アイディアを考えるうえで、こんなときも「無理だ」と考えを止めてしまうのはもったいない。「身近なものを使って、なんとか叶える」という視点を持ってみましょう。
壮大な夢を身近なもので解決する
どこまでも妥協を受け入れれば、どんな壮大な欲でも身近なもので実現できます。手持ちのもの、たとえばスマホやパソコンの機能を使ったり、100円ショップやスーパーで売っているもの、家にあるものなどを工夫して使ったり、友だちや家族に協力してもらったり。
スーパーモデルが写真を撮るときに前から風を当てられて髪をなびかせるのを見ることがありますが、それは自宅で自撮りするときにドライヤーで代替できそうです。
憧れの人と写真を撮りたい場合は、その人の写真を切り抜いてスマホのカメラの前に置いたら、遠近法で一緒にいるような写真が撮れます。
くだらなさの針を振り切って考えていくと、どんどんアイディアが出てくるはずです。
わたしのハリウッドデビューの夢はどうか。LINEの友だちの名前を全部ハリウッドスターに変更してはどうかと考えました。これで友だちからLINEが来るたびに、自分がセレブの一員のように感じることができそうです。
(本原稿は、藤原麻里菜著『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』の内容を抜粋・編集したものです)
1993年、横浜生まれ。発明家、映像クリエイター、作家。頭の中に浮かんだ不必要な物を何とかつくりあげる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを広げている。SNSの総フォロワー数は20万人を超え、動画再生数は4000万回を突破、その人気は中国、アメリカ、ヨーロッパなど海外にも広がっている。2016年、Google主催「YouTubeNextUp」に入賞。2018年、国外での初個展「無用發明展――無中生有的沒有用部屋in台北」を開催、2万5000人以上の来場者を記録した。Awwwards Conference Tokyo 2020、eAT2018 in KANAZAWA、アドテック2016東京・関西などで登壇。「総務省 異能vation 破壊的な挑戦者部門 2019年度」採択。最新刊に『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』がある。