新型コロナウイルスワクチンの供給に遅れが生じているほか、いまだ承認されていないワクチンの先行きが不透明なことから、欧州各国が夏までに国民の大部分に接種を実施できる公算は小さく、ロックダウン(都市封鎖)などの活動制限がこの先何カ月も続くとの見方が強まっている。ワクチン接種が進んでいる米英などに比べ、欧州で早期正常化の期待が後退していることが、域内経済の足かせとなっている。旅行や観光などのサービス業に依存している地域が多く、経済力で後れを取る南欧でとりわけこの傾向は顕著だ。域内のワクチン調達を管轄している欧州連合(EU)執行機関の欧州委員会は、製薬会社6社から23億回分の供給を受ける契約を結んだ。このうち大半は2021年に納入予定で、合わせて人口4億4800万人を抱える加盟国は、夏までに成人の70%に対しワクチン接種が可能になる予定だという。
ワクチン供給遅延、欧州夏までの正常化に足かせ
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